バラタナティヤム 南インド古典舞踊

躍動感溢れる身体づかいは生命力を呼び覚まし
心の震えとともに奏でられる神の物語は
魂に触れる

バラタナティヤムは南インドの古典舞踊。
今から二千年以上前、神に捧げる舞として発祥しました。

BHA-Bhava 感情」 「RA-Raga 旋律」 「TA-Tala リズム」
これらの頭文字に、「Natyam 踊り」を加え、Bharatanatyamと名づけられたと言われています。

古代寺院では「デーバダーシー」という神に仕える人々の間のみで踊られていたこの踊りも、 その後数々の変遷を経て、現在では舞台芸術として人々に愛されています。

【ヌリッタとヌリッティヤ】

バラタナティヤムは大きく分けて、ヌリッタヌリッティヤの2つの部分から成っています。

「ヌリッタ」は、身体表現。
中腰の姿勢から、足を楽器のように打ち鳴らして大地を踏みしめ、 目、首、肩、手、そして体全体に神経を行き渡らせて舞い踊られます。
その鮮やかなステップは力強さと優美さをたたえ、生命のリズムと共鳴して体の奥底を響かせます。

「ヌリッティヤ」は、「アビナヤ」とも言われる感情表現。
ヒンドゥー教の神様を称え、生き生きとした神の姿や物語を、身振り手振り、顔の表情で語ります。
情感豊かに語られる神の物語は、観る者を別世界へといざないます。

静と動、柔と剛、lasya ラースヤ(女性的要素)とtandava ターンダバ(男性的要素)、 バラタナティヤムは、全宇宙のごとく完全な踊りであると称されています。